不器用な彼が隠した2文字





「お聞きしたいことがあるんですが!」



「…何」



「ここじゃアレなので、外に出ませんか!」




朝比奈先輩を押し切るように勢いよく言うと、


「アレってどれだよ…」



なんて呟きながらも渋々席を立ってくれる朝比奈先輩。


かなりうるさい私は、教室中の視線を浴びていた気がする。





2人とも黙ったまま、人気のない、3階から4階へ向かう階段に来た。



4階には教室がないので、かなり静かなこの場所で、小さく息を吐く。





「…で、何?」




面倒臭そうな朝比奈先輩の右手には、メロンパン。




< 113 / 341 >

この作品をシェア

pagetop