不器用な彼が隠した2文字
「お聞きしたいことがあるんですが!」
「…何」
「ここじゃアレなので、外に出ませんか!」
朝比奈先輩を押し切るように勢いよく言うと、
「アレってどれだよ…」
なんて呟きながらも渋々席を立ってくれる朝比奈先輩。
かなりうるさい私は、教室中の視線を浴びていた気がする。
2人とも黙ったまま、人気のない、3階から4階へ向かう階段に来た。
4階には教室がないので、かなり静かなこの場所で、小さく息を吐く。
「…で、何?」
面倒臭そうな朝比奈先輩の右手には、メロンパン。