不器用な彼が隠した2文字
さすがに、1ヶ月も経てば少しは現実を受け入れることもできて。
それでもやっぱり、まだ朝比奈先輩のことばかり考えてしまう自分がいて。
諦めるっていうのは、難しいことなんだなぁと実感している。
「そうだ、うちのクラスに転校生がくるらしいよ」
「転校生?」
「イケメンって噂」
「へぇ…」
転校生と聞けばもちろん気になるけど、今は正直朝比奈先輩のことしか頭にない。
だけど、先生に紹介されて教室に入ってきた転校生を見て、私は思わず息を呑んだ。