不器用な彼が隠した2文字
「寝てるだけか…」
そう言って保健室を出て行ったらしい晴希に、ほっと息をつく。
「…良かったね、バレなくて」
相変わらず耳元で囁く朝比奈先輩の腕を、思いっきり押しのけてベッドから出る。
きっと、顔は情けないくらいに真っ赤なんだろう。
「な、何…するんですか…っ」
寝たままの朝比奈先輩を思いっきり睨みつけると、睨み返される。
だけど、今回は怯まない。
だって、どう考えたって、怒る権利は私にあるでしょ!?