不器用な彼が隠した2文字
半年前。
ーードンッ
「っ、わ」
放課後、家に帰ろうと学校の脇の道を歩いていた時のことだった。
反対側から早足で歩いてきた人に、ぶつかった。
「ごめんなさい…っ」
慌てて謝って顔を上げると、そこには学校の有名人が。
格好良いって有名な、朝比奈 理生先輩。
学年は違うけれど、クラスの女の子たちが騒いでいたから、名前くらいは知っていた。
でも、正直私はイケメンにも、人気者にも特に興味がなくて。
確かに、こんなに至近距離で見たら本当に整った顔。
しかも良い匂いする、なんて考えていた。