不器用な彼が隠した2文字
「悪い、平気?」
少し慌ててそう聞いた朝比奈先輩に、ハッとして頷く。
……あれ?
「え、ない…っ」
何で…!?
手に持っていたはずのネックレスがないことに気づき、慌てて周りを探す。
「何?」
「あっ…えっと、ネックレスが…」
たぶん、ぶつかった拍子に手から落ちたんだ。
そう思って辺りを見回すけど、校庭の周りに植えられた、胸のあたりまである木々や草のせいで、探すのは難しそう。