不器用な彼が隠した2文字
『嫌いなんて、そんなこと』
◻︎溢れた雫は夕日のせい
それから3日間くらい朝比奈先輩は学校を休んだらしい。
そのあと、廊下で見かけても、話しかける勇気なんてなくて。
すれ違った時に一度だけ、
「小日向」って、呼んでくれたことがあったけど。
何を言われるのか怖くて、聞きたくなくて、思いっきり避けてしまった。
だって「キスのことは忘れて」とか。
「もう付きまとわないで」とか。
そんなこと言われたら私はきっと立ち直れないし。
それに、ハッキリと振られてしまったら、諦めるしかなくなってしまうから。