不器用な彼が隠した2文字
盛り上がるグラウンドのみんな。
そこから切り離されたような空き教室で、春希と向かい合う。
「ごめん、こんな目立つことして」
「ううん…」
ゆるゆると首を振る。
「俺、有紗のことまだ好きだよ。
…もうこれで諦めるから、
ちゃんと振ってほしい」
まっすぐに私の目を見る春希は、真剣な表情で。
中学生の時の春希とは、変わっていないようで、やっぱり変わっていて。
いつからこんな、大人っぽくなったんだろう。
今だってきっと、注目されたくない私に気を使って教室まで逃げてくれたんだろう。
春希と過ごした中学生は、すごく楽しかった。
ふわふわした、幸せな時間だった。
だけど、今私の心を動かすのはー…