不器用な彼が隠した2文字
◻︎ただ好きになっただけ
体育祭は朝比奈先輩の活躍もあって、赤組の優勝だった。
私たち青組は2位。
結果発表も終わり、みんなが体育祭の余韻に浸る中、
「ねえ、」
かけられた声に、何気なく振り向く。
「織花さん!」
今日はロングスカートじゃなくて、割と短めの白いワンピース。
その可愛らしい姿に、男子がチラチラ振り返るのが見えた。
織花さんも体育祭を見に来ていたらしい。
「どうして、理生くんにネックレスのこと言わないの?」
「え?」
「私がやったって、言えばいいのに」