不器用な彼が隠した2文字




「誕生日おめでとう」







同じようにこっちを見ずに、窓の外を見たまま。

表情は、髪で隠したまま。


そんな嬉しいことを言ってくれる朝比奈先輩に、『きゅん』が溢れてしまいそうだ。




「ありがとう、ございます…!」





そう笑った瞬間、もう一度近付いた唇。


今度はキュッと、目を閉じた。








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