不器用な彼が隠した2文字
ダメ、頭、熱い…
朝比奈先輩の胸を叩いても、些細な力はなんの抵抗にもならない。
「っ、理生…先輩…?」
「先輩、いらない…」
ゆっくりと私の頬を撫でる朝比奈先輩の手が、くすぐったい。
「っ、り……」
なにこれ、どうしよう、恥ずかしい…
名前で呼んだこと、なかったから。
呼んじゃダメだって、思ってたから。
朝比奈先輩が、私の声を待ってる。
それがびっくりするくらいに恥ずかしくて。