不器用な彼が隠した2文字
「体育、面倒だからもう少しサボって行く」
…嘘、あんなに楽しそうだったくせに。
「心配して、くれてるんですか?」
わざわざ聞いてしまうのは、バレバレの嘘をつく朝比奈先輩が可愛いから。
すごくすごく、嬉しいから。
「自惚れんな、バカ」
少し焦ったような、ぶっきらぼうな声。
顔を背けるのが、愛しくて。
「そういうところ、大好きです」
へらり、と笑うと、朝比奈先輩はこっちを見ないまま、
「俺は嫌いだけどね」
なんて、いつもの台詞を呟いた。