フテキな片想い
「弟って、お前、何かに付けて言ってくるけど、俺ら、タメだからな」
「タメだけど、私の方が誕生日、五ヵ月早いもん!お姉さんだもん!」
「あぁ、うぜぇ」と真央を溜息を吐く。うふふと笑い、真央と肩を組みながら歩いていると、ピンッとおでこをデコピンされた。
「いたっ!」
額に手を当てると、真央が冷めた表情で私を見ていた。
「俺の学校に一緒に登校するつもりか?お前の学校はあっちだろう?」
気付いたら公園をアッという間に通り過ぎて、商店街に出ていた。
私の通う学校は商店街を右に進んだ坂の上にある女子校で、真央の学校は商店街を左に進んだ駅の反対側にある男子校だ。
真央を商店街の終わりに続く坂道を指差し、「あっち」と再び呟いた。
「じゃあな」
真央は制服のズボンのポケットに両手を突っ込み、商店街を左に進む。
「じゃあ、また、家でね。いってらっしゃい」
人混みに紛れて小さくなっていく、真央の背中に声を掛けると、右手をひらひらと挙げ、答てくれた。