フテキな片想い
美雨@真央がいない
目覚めると、朝だった。
カーテンを引いてない窓から日が差し込んで、チュンチュンとどこかでスズメの鳴く声が聞こえてきた。
目を見開き、いつもと違う景色に状況確認をする。
私の部屋じゃない。そうだ、真央の部屋だった。
私、いつの間にか寝ちゃったんだ。しかも、真央のベッドに潜り込んで、布団までしっかり被って。
起き上がると、ベッドの上に放り投げてあったはずの漫画雑誌が、ベッドの下に重ねてあった。
その上に、紙袋がちょこんと乗っていて、紙袋に殴り書きのような字で「美雨へ」と描かれていた。
真央の字だ。
もしかして、あれから一度戻って来た?
壁側を振り返ると、いつもそこのハンガーに掛けてあるはずの真央の制服がなかった。
脱靴所も確認する。登校時に履いてる真央のお気に入りのスニーカーもない。
夜中にこっそり戻って来て、荷物を取りに来たんだ。
真央が帰って来たのに、気付かなかったなんて、不覚。
美雨のバカ!と自分の頭をポカポカ殴る。
ベッドの上に座り、雑誌の上の紙袋を手に取った。