フテキな片想い
一応、大きな声で扉の向こうに声を掛けてから、ドアノブに手を伸ばす。
相変わらずの不用心、真央は出掛ける時にしか、部屋の鍵を閉めない。
脱靴スペースでサンダルを脱ぎ、真央の部屋に上がる。
白を基調としたポイントで真央の好きな色でもあるグリーンが映える、物が極端に少ない部屋だ。
白いローテーブルの下には、ふかふかの若草色の絨毯が敷かれ、その前に液晶テレビがある。
後は、洋服箪笥が壁沿いに並び、部屋の奥にベッドがあるだけだ。
白と若草色のストライプの掛け布団が、こんもりとしていた。
真央はいつものように爆睡中だ。
毎朝、真央を起こす事から、私の一日は始まるのだ。
私は、真央のベッドに突進すると、「朝だよーーー!!」と声を張り上げて、掛け布団を一気に引っぺがした。
「う…うーん」
掛布団の下で体を丸めた真央が、不機嫌な声を出し、寝返りを打った。
「起きろ、起きろ、起きろー」