フテキな片想い


「愛を叫ぶって?」


初耳だった星夜が、興味津々で訊ねる。


「去年は物理の古谷が、恋人にプロポーズしたらしい」


「え?古谷先生が?」と星夜は目を見開いた。


「教師が学校の行事で、私情持ち込んでいいのか?」


「無礼講だよ。ブレーコー。真央はそういうとこ固いよなー。見た目チャラいのになー。結構、校長がノリノリだったらしいぜ」


「はっ?」


チャラいの一言に過剰反応してしまう。誰かさんと同じ風に呼ぶなよ。イラッとしたので、そのまま手に持った焼きそばパンを頬張る。


「へぇ、面白そうだね」


星夜はプリントに視線を移し、内容を確認する。


「基本下ネタはNGなんだけどな。例えば、数学の鴨田に、エロい体してんなー、一発やらせろ!とかはダメ」


井岡が顔の前で両手をクロスさせると、星夜がプッと噴き出した。くだらねぇ……。


「で、井岡くんはサカチューを僕らに伝えてどうしたいの?まさか、出場しろとは言わないよね?」


「まさか。星夜と真央のモーホー劇場やられるのは、ごめんだし」



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