フテキな片想い


星夜はその閑散っぷりを思い出したのか、苦笑いをしていた。


「この地域の妖怪とか調べるのは?妖怪、流行ってるし」


「妖怪?この辺って妖怪で有名なの?」


「知らねぇけど、どこの地域にも都市伝説と妖怪はついてるもんだろ?」


俺たちがこそこそ話している間に、話し合いは思わぬ方向に流れていた。


「BGMで第一体操流してりゃよくね?来場者には、メダルプレゼント的な?」


「マジで?あの曲、一回聴くと無限のループに陥るんだけど?」


「メダルって作るの?誰が?牛乳瓶の蓋とかで?」


「誰か絵、上手い奴いる?」


何だかんだで、まとまっている気がした。


研究発表だとしても、年に一度の祭りなのだ。


気分が高揚するのも無理ない。


一般公開される文化祭では、美雨の通う坂の上女子高を始め、近隣の高校生たちが集まってくる。


男子高の生徒が少なからず、女子と出会う機会を望んでいるのは間違いない。


文化祭はその絶好のチャンスなのだ。


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