フテキな片想い
真央@エピローグ・不敵なカノジョを紹介します
「真央ー、入るよー」
リズミカルなノックの後に、美雨は扉を開けて、部屋に上がり込んで来た。
まだ夢見心地で、ぼぅとしている頭で、「うーん」と唸った。
「起きろー」
美雨は容赦なく、一気に掛布団を引き剥がす。
一月の冷気が温まった体を急激に冷やし、俺はベッドの中で蹲る。
「起きろ、起きろ、起きろぉ」
壊れた目覚まし時計かと思う位、耳元で連呼する。
「……うるせぇ、一回言えば解る」
どちらかと言えば低血圧なので、朝からこのテンションに美雨についていけない。
「そう言いつつ、また寝る~。ちょっと、今日は大事な日なんだからね!」
寝返りをして、背を向けたら、美雨が怒って、右肩を擦った。
その瞬間を狙って、仰向けになり、美雨の手首を掴むと、ベッドに引っ張りこんだ。
「ちょっと、寝るんじゃなくて、起きるの!」腕の中に収まった美雨の文句を聞きながら、足を使って、引っぺがされた布団を掛け直す。