フテキな片想い
上下グレーのスウェットを着た真央の肩を揺さぶり、連呼すると、「うるせぇ……一回言えば解るって……」ごにょごにょを文句を言いながら、私の手を払う。
「そうやって、また寝る気でしょ?」
耳元で大きな声を出しちゃおうかな?とイタズラ心で顔近づけた所で、真央が急に目を見開き、私の手首をギュッと掴み、自分の方へ引き寄せた。
「わっ」
体勢を崩した私は、前のめりになり、真央の胸に倒れ込んだ。
「いてぇ……」
真央の呻くような声が聞こえ、顔を上げると鼻の先に真央のシャープな顎があった。
「ごめん。そっちも急に手首を掴むから……」
起き上がろうとした所で、鼻腔を甘い香りが霞め、思わずクンクンと真央を頭の匂いを嗅ぐ。
「ちょっと、真央、私のシャンプー使ったでしょ?」
「あ?何が?つうか、どけよ。重いんだけど?」
真央が後ろ頭を掻きながら、眠気眼でむくりと起き上がった。
私は慌ててベッドから飛び降りて、続ける。