恋涙
それからあたしは
百合から逃げた。

きっと視界に入らなければ
何も言われないと思ったから。

そしたら本当に何も言われなくなって
本当に嬉しかった。

ーずいぶんと日がたち、
もう冬だった。
バレンタインを意識し始める
2月頃。

あたしも友輝にチョコをあげたいと
思っていた。
渡せるかわかんないけど…


当日。
チョコを持って屋上に行った。

ドアを開けたけど
また友輝の姿はなかった。
あたしは仕方なく和也に頼んで
渡してもらった。

こんな最悪なバレンタインも
経験したくなかった。



ホワイトデー。
お返しがくるんではないか
楽しみにしていた。でも来なかった。

なんで…??
あげたのに…??

完璧にあたしは
友輝から好かれてないんだ。
だからお返しが貰えないんだ。

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