【完】ヘタレな彼氏
「ずっと僕だけが好きなんじゃないかと思ってた。
だって玲菜は甘えてきても遠慮してるし…僕なんか頼りないのかなって思ってた。
でも僕と同じくらい玲菜も好きでいてくれてるんだね」
「うん…大好きだよ」
「僕さ、手繋ぎたくても繋げないし。キスしたくてもできないヘタレだけど…
こんな僕でもずっと好きでいてくれる?」
「…もちろん」
ニコッて笑ったあたしにいつもの下手っぴな触れるだけのキスをくれる。
「…キスももっと上手くなれるように頑張るよ」
「…いい。このキスが好きなの」
2人で笑い合ってまたキスをした――。
あたしの彼氏は手も繋げない、キスもできないヘタレ彼氏。
だけどそんなヘタレ彼氏がすごく愛おしくて誰よりも大好きなんです。
きっとあたしは一生この人といるんだなって気がする。
……いれたらいいな。
ずっとこの人の隣に。
ヘタレな彼氏 fin.