【完】ヘタレな彼氏
「あなたたちはあたしをドキドキさせることもできなければあたしの気持ちを動かすこともできない。
…あたしの心の中心にいるのはいつも優なの。優以外は入ってこない。
それに優以外には甘えられないの。あなたたちに甘えるなんて想像しただけで吐き気がしちゃう」
ニコッと笑って優と家に帰る。
優とあたしは一人暮らしをしていて同じアパートの隣の部屋。
だから学校から帰ってくると必ずどっちかの家に行くのが習慣になっている。
「優、今日はどっちの家行く?」
「……」
「優?」
「……」
「昨日はあたしの家だったから今日は優の家ね?」
反応しない優を他所に勝手に話を進める。
無視はされるけど一応話は聞いてるから家の前まで来るとかばんから鍵を出してドアを開けてくれる。
「おじゃましまーす」