閉じたまぶたの裏側で
適当に小綺麗な格好をして、あまりヒールの高過ぎない靴を履いて自宅を出た。
待ち合わせ場所のコンビニでコーヒーを2本とガムを買った。
勲と恋人同士だった頃も、こんなふうにコンビニでコーヒーとガムを買って、ドライブに行ったっけ。
今更そんな事を思い出してもしょうがないのに、夕べからやたらと昔の事ばかり思い出してしまう。
往生際が悪いな、私も。
もうあの頃には戻れないのに。
会計を済ませて外に出ると、一台の車がコンビニの駐車場に入って来た。
その車の運転席には應汰の姿。
当たり前だけど、こうして待ち合わせてる相手が勲じゃない事が不思議だ。
應汰は車を停めて、運転席の窓を開けた。
「お待たせ。乗れよ。」
「うん。」
助手席のドアを開けてシートに座り、シートベルトを締めた。
「これ。」
「お、サンキュー。」
コーヒーとガムを差し出すと、應汰は嬉しそうにそれを受け取った。
そしてしげしげと私を眺めた。
「……何?どっかおかしい?」
「いや、かわいいじゃん。今すぐ残さず食っちまいたい。」
「…殴っていい?」
「バカ、なんもしねぇよ。約束したもんな。」
應汰は私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「いつもの髪型もいいけど、俺はこっちのが好き。めっちゃかわいい。」
「…それはどうも。」
今まで應汰にかわいいなんて言われた事がなかったから、無性に照れ臭い。
勲がつけた首筋のキスマークを隠すためよ、なんて口が裂けても言えないけど。
待ち合わせ場所のコンビニでコーヒーを2本とガムを買った。
勲と恋人同士だった頃も、こんなふうにコンビニでコーヒーとガムを買って、ドライブに行ったっけ。
今更そんな事を思い出してもしょうがないのに、夕べからやたらと昔の事ばかり思い出してしまう。
往生際が悪いな、私も。
もうあの頃には戻れないのに。
会計を済ませて外に出ると、一台の車がコンビニの駐車場に入って来た。
その車の運転席には應汰の姿。
当たり前だけど、こうして待ち合わせてる相手が勲じゃない事が不思議だ。
應汰は車を停めて、運転席の窓を開けた。
「お待たせ。乗れよ。」
「うん。」
助手席のドアを開けてシートに座り、シートベルトを締めた。
「これ。」
「お、サンキュー。」
コーヒーとガムを差し出すと、應汰は嬉しそうにそれを受け取った。
そしてしげしげと私を眺めた。
「……何?どっかおかしい?」
「いや、かわいいじゃん。今すぐ残さず食っちまいたい。」
「…殴っていい?」
「バカ、なんもしねぇよ。約束したもんな。」
應汰は私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「いつもの髪型もいいけど、俺はこっちのが好き。めっちゃかわいい。」
「…それはどうも。」
今まで應汰にかわいいなんて言われた事がなかったから、無性に照れ臭い。
勲がつけた首筋のキスマークを隠すためよ、なんて口が裂けても言えないけど。