閉じたまぶたの裏側で
應汰の言葉に私は首をかしげた。

「そういう年頃…?」

「やりたい盛りだろ。思春期の男の頭の中なんてサル同然だ。」

「…今もでしょ?」

「おー、芙佳限定でな。」

事も無げにさらっとそういう事を言われて、なんだか無性に恥ずかしくなる。

「スケベ!!変態!!」

「俺はスケベだけど変態じゃないぞ?純粋に芙佳が好きなだけ。好きな子とやりたくない男なんていないだろ?」

「……もういい、ちょっと黙ってて。」

應汰め…。

宣言通りガンガン攻めてくるな…。

そんなにまっすぐに好きだと言われたら、逃げ場をなくしてしまうじゃないか。

こんな丸腰では到底闘えない。

逃げる準備だけはしておこう。



それからも他愛ない思い出話をしながら海を目指した。

ようやく海沿いの道路にたどり着いて車を停め、窓を開けると潮風が車の中を吹き抜けた。

「海なんて久しぶり。」

「泳げないけどな。俺は芙佳の水着姿が見たかった。」

「……絶対見せないから。」

「高校の時に見たぞ、スクール水着。」

應汰の視線が急に遠くを見つめて、やけにいやらしくなった気がした。

もしかして…私のスクール水着姿を思い出してるのか?!

「なんで?!男子と女子では水泳の時間は別々だったでしょ?」

「プールが見えるポイントがあるんだよ。体育の授業抜け出して見てた。」

「覗き…?やっぱ変態でしょ?」

「なんとでも言え。見たいものは見たいんだ。今はもっと見たい。本音言うと、水着は要らないけどな。」

「バカッ!!最低!!」

このエロ魔神が…!!

頭ん中どんだけサルなのよ!!


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