閉じたまぶたの裏側で
仕事の後、美緒と二人で会社のそばのダイニングバーに足を運んだ。
よく考えたら仕事帰りに應汰以外の人と食事をするのなんて久しぶりだ。
ここ最近はその應汰とも一緒に食事をしたりはしていないけど。
席について、いくつかの料理と白ワインをボトルで注文した。
まずは乾杯して、ワインを飲みながら食事を楽しんだ。
いつもは應汰と居酒屋でビールを飲む事が多いから、ワインなんて久しぶり。
料理も若い女性が喜びそうなオシャレなものばかり。
仲の良い女友達との食事は楽しいし好きだと思うのに、目の前にいるのが應汰じゃない事に、私はなぜか、なんとなく違和感を感じている。
「ところで…昼間の話だけど…。」
「ああ…うん、あの話ね。」
美緒はキョロキョロして周りに社内の人が近くにいない事を確かめ、耳を近付けろと私に手招きをする。
「最近山岸がついてる営業部の後輩がさ…どうも狙ってるみたいなんだよね。」
「應汰を?」
美緒はうなずいて、更に小声で話を続ける。
「先週の金曜、営業部の飲み会があったんだけどさ。その子、山岸にベッタリだったの。白々しく可愛い子ぶって酔ったふりなんかして…。私らからすればみえみえの作戦なのに、結局、同じ方向だからって山岸が送って行ったんだけどね…。」
「うん。」
「休み明けてみたら、今日はなんとなくただならぬ雰囲気と言うか…。明らかにあれは…。」
「……したって事?」
「おそらくね。その子の目の色が違うもん。」
「ふーん…。」
よく考えたら仕事帰りに應汰以外の人と食事をするのなんて久しぶりだ。
ここ最近はその應汰とも一緒に食事をしたりはしていないけど。
席について、いくつかの料理と白ワインをボトルで注文した。
まずは乾杯して、ワインを飲みながら食事を楽しんだ。
いつもは應汰と居酒屋でビールを飲む事が多いから、ワインなんて久しぶり。
料理も若い女性が喜びそうなオシャレなものばかり。
仲の良い女友達との食事は楽しいし好きだと思うのに、目の前にいるのが應汰じゃない事に、私はなぜか、なんとなく違和感を感じている。
「ところで…昼間の話だけど…。」
「ああ…うん、あの話ね。」
美緒はキョロキョロして周りに社内の人が近くにいない事を確かめ、耳を近付けろと私に手招きをする。
「最近山岸がついてる営業部の後輩がさ…どうも狙ってるみたいなんだよね。」
「應汰を?」
美緒はうなずいて、更に小声で話を続ける。
「先週の金曜、営業部の飲み会があったんだけどさ。その子、山岸にベッタリだったの。白々しく可愛い子ぶって酔ったふりなんかして…。私らからすればみえみえの作戦なのに、結局、同じ方向だからって山岸が送って行ったんだけどね…。」
「うん。」
「休み明けてみたら、今日はなんとなくただならぬ雰囲気と言うか…。明らかにあれは…。」
「……したって事?」
「おそらくね。その子の目の色が違うもん。」
「ふーん…。」