好きと伝えれば。
高校に入学して、1ヶ月ほどが経った。
たくさんの友達もできて、なんとかうまくやっている。
「じゃあ、今日はイオンよってこ!」
「いいねぇ!」
放課後、みんなでイオンに行くことになった。
高校生になって、初めて学校帰りに寄り道をする。
中学のころは、まっすぐ家に帰るのが校則だった。
だから、初めてのことに少しテンションが上がってしまう。
「山内さーん」
ふと、誰かに私の名前を呼ばれる。
声が聞こえた方をみると、今日の入り口にクラスメイトの子がいた。
「日直は職員室に来なさいだってー」
その声を聞いて、「えっ」と思わず声をあげてしまう。
最悪だ。
だって、日直の仕事をしないといけないならみんなでイオンにはいけない。
夢の女子高生のようなことができない。
プリクラに、「いつメン」とか「JK参上」とか書きたかったのに。
「どんまい、真奈美っ」
そう言って友達に肩をトンッとされ、気が重くなってしまう。
うそでしょ〜〜…