好きと伝えれば。
「ごめん!大丈夫だった?」
そう言って慌てて私の目の前にしゃがみこんだ君は、同じクラスの…たしか矢田くん。
「うん、こっちこそごめんね!」
そう言って矢田くんの顔を見ると、お互いの顔が同じ高さにあり、驚く。
近すぎる距離。
お互いの顔が赤くなっていた。
「ごめんっ」
そう言って矢田くんは私から顔を逸らし、積み上げられたノートを持ち上げた。
私も一緒に立ち上がった。
「たしか、同じクラスの山内さんだよね?」
「うん、そうそう」
名前を覚えられていたことに少し驚く。
私ってそんなに目立っていなかったから少し嬉しかった。
「日直の人って誰かわかる?
先生に日直の人の代わりにこのノートを運ぶよう頼まれたんだよね」
あっ、やばっ。
それ、私だ。