可愛いなんて思ってない!

秦山祥一の苦悩






「うぅ…何やこれは…。」




家に帰ってからまた同じ繰り返し。

あの日、そう
あの小林の(仮)告白&プロポーズから

俺はおかしい。




ずっとずっと…

俺はユカリが好きなはずなのに…なのに…!






(きょ、今日も小林が可愛く見えて仕方ないなんて…!!)





-----そうなんです。

俺秦山祥一は
ユカリへ2年近く片想いしていたのにも関わらず

この前小林が告白してきたことで
心へ変化が生じ始めていたのです。





(小林やぞ?!おい俺!あの小林やぞ?!)





中学では
みんなに成績優秀で可愛え可愛え言われてて…ってちゃうわ!!




(あの野蛮な性格のことや!!)




そう、あいつは昔からヤンキー気味で
俺が借りパクした問題集とか

発見した瞬間すぐ脅しを…





(---って、それは俺がいけないんやけど。)






でもでも、俺が前に借りた本を返した時も
返却予定日から遅すぎるって怒られるし…。




(---って、それも俺がいけないんやけど。)






…って、全部結局俺がいけないんやん!
小林何も悪くな…



あーもーダメやダメや。

何で俺毎日こんな小林のこと考えとんねん。






「これじゃまるで……。」






何か俺
小林のこと好き、みたいやん…。








………。







「ってうぉい!!!!!

何考えとんねん乙女チックに!!」




何が好きやねん!!






「ち、ちゃう!俺は…俺は…!」







小林なんか好きやあらへん!!!



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