可愛いなんて思ってない!





そして次の日---





「祥一おはよう〜!」

「祥ちゃんおっはー!」

「おぉ おはようサナ、エリカ。」








昨日は何だったのかと思うほど

3年になってからの"普通"がやってくる。




(家に行ったからって何か変わるわけじゃないもんね…。)





なんて
嫌なほど冷静な思考のおかげで

またも少し落胆、ショックを受ける。



本当私なにやってるんだろう
馬鹿みたい…。






「さっちゃんおはよう。
…ハタってばまたあんな感じだね…。」




ハタ変わったなぁ…

と秦山を見ながらユカリが言う。



あぁそっか、ユカリは秦山の昔を知らないもんね…。






(前からあんな人ってのは知ってるけど…)






何で 私が秦山を好きって知ってて
あんなことしてくるのかな


やっぱり私には興味ないってこと?

それともあの2人のどっちかがもうすでに好きとか?彼女とか?

でもそしたら何で昨日…





(ってもーーー!やだやだやだ!!)





考えるのやめよう!
と思って

私はユカリと話を始める。



濱崎さんとはうまくいってるみたいだし
ユカリについては何も心配いらないみたい。

今度あそこ行こうとか

もう今年受験だねとか

秦山とは全然関係のない話をしていたら
急に秦山たちの楽しそうな声が聞こえなくなって

私とユカリは周りを見渡す。




すると---








「---ハタ、声でかい。」





騒いでいる女子たちと
秦山に向かって そう冷えた声で言う男子が1人---

それも







「え…斎藤くん…?」





ユカリがびっくりして名前を口に出す。


そう、あの斎藤くん。

去年からまた同じクラスで
秦山の親友の 斎藤洋樹(サイトウ ヒロキ)くん。






私も思ってもない人物に

正直驚いた。





< 21 / 60 >

この作品をシェア

pagetop