可愛いなんて思ってない!
(…秦山大丈夫かな…。)
1限の終わる頃
紗香は祥一の様子が気になって
そんなことを考えていた。
(朝すごいクマあったし…
さっきも様子おかしかったし。)
顔色見てたら
いきなり立ち上がってアホだの何だの言って出て行ったし…。
顔も赤かったし、やっぱり熱でもあったんじゃ…。
そんなことを考えていると同時に
キーンコーンカーンコーンと
授業終了のチャイムがなる。
「ユカリ、私ちょっと秦山の様子見に行ってくるね。」
「あ、うん!行ってらっしゃい!」
紗香はそのまま祥一がいる
保健室へと足を伸ばす。
------ガラガラ…
「失礼します。
あの、秦山くんて…。」
先生に尋ねてから
教えてもらったベッドへ向かう。
シャーーー…
カーテンを開ければ
そこには静かに眠っている、秦山の姿。
(やっぱり疲れてたんだなぁ…。)
なんて思いながら
ベッドの横の椅子に腰掛けて
秦山の顔を見る。
「…ん…。」
「あ…秦山、1限終わったよ。
授業出れそう?早退する?」
目が覚めたのか
小さく声を上げて、薄っすら目を開けた。