可愛いなんて思ってない!
「ははは〜
そんでなぁ、紗香ホンマかわええねん。
俺の手ギュッと握ってきてなぁ」
「うん、分かったから。
分かったからそのだらし無い笑顔シャキッとさせて!」
-----次の日の朝。
俺は登校して来てから
ユカリに紗香とのことを報告。
紗香が来るまでに
この喜びを誰かに伝えたいと思って
ユカリに話してんねんけどな
「もう、紗香がこんなハタ見たらきっとガッカリするよ?」
「…え?!」
こうやって
どうもだらし無いフニャフニャした気持ちが抜けないもんで。
ユカリに怒られながら
ハッとして体を起こす。
「嫌や!紗香にガッカリされたくない!」
「誰にガッカリされるって?」
「へ?…うわぁ!!」
ユカリに話してる途中で
後ろから声がして
振り返って俺は声を上げる。
(-------あ、れ…?)
そして後ろに立っている紗香に
俺は目をこすりながら
もう1度改めて見る。
「…?何?何かついてる?」
「紗香…お前、何か目に見えるオーラか何かつけた?」
「…はぁ?」
俺の言葉に紗香は?をたくさん浮かべる。
ユカリも何を言ってるのかわからないと言った表情で
俺を見上げていた。
(え……だ、だって…。)
「お、お前の周り何かキラキラしとるもん!!」
……し〜ん……
俺がそう叫べば
周りがし〜んとなって
紗香も瞬きしながら固まっている。
…え?俺なんか変なこと言った?
「…ぷっ!は、ハタ……っ!!」
「…しょ、祥一…!!」
そしてすぐに
ユカリが吹き出して
体を揺らしながら声を殺して笑う。
紗香は俺を見たまま
可愛く顔を赤く染めて
な、ななな…!とうろたえている。
え?何、どうしたん?
「は、ハタってば天然殺し…!!」
「は?天然殺し?」
「紗香がキラキラ見えるのは、
好きだから輝いて見えてるの!」
「………へ…。」
ユカリが笑いながら
俺にそう言うので
俺はその言葉を聞いて
ボ、ボ、ボ、ボ…!!
と音が鳴るんじゃないかと思う位
顔に熱が集まってくる。
「っ、は?!え、そ、そうなん?!」
「ハタって、恋愛経験豊富なんじゃないの?
ふふ、純粋で初々しいね!」
ユカリがそう言ってからかってくるのを
返せるほどの余裕がなくて
俺と紗香は顔を赤くしながら
お互いにキョロキョロしながら
朝の時間を過ごした。