可愛いなんて思ってない!





「え?ハタが変?」

「うん…何か変。」




紗香は帰り道にユカリに相談する。


避けられてるわけじゃないんだけど
逃げるように出てったり
と言っても私のこと心配してくれるし




私、なんかしたかな?






(確かにあの告白をしてから
何か態度は自分で自然に柔らかくなったかなぁとは思うけど…。)





でもそれは別に秦山が好きだからで

他の人にやったりはしてないんだけど…。






「ん〜…あ、そうだ!
男心が分かる人いるよ!」

「え?」















「おかえり。
…あぁいらっしゃい紗香ちゃん。」

「すいません濱崎さん。お邪魔します。」





そうしてやってきたのはユカリの家。

と言っても本当は濱崎さんの家なんだけど。




(男心が分かる人って…。)




まぁ確かに濱崎さん男だから
分かるだろうけど…。


と心の中でユカリの発想に小さく笑った。




「…それで?あの秦山くんに関して相談?」

「はい、そうなんです。」





濱崎さんは私をリビングに案内して
お茶を入れて出してくれた。






「最近秦山の様子がおかしくて…。」






と濱崎さんに最近のことを報告する。


濱崎さんは真剣に聞いてくれながら
どこか面白そうにニヤッと笑う。





「…で、クラスの女の子と話してる時に
チラッと見られて変な顔してたって?」

「…はい…。」

「紗香ちゃん…それは多分
というか絶対、紗香ちゃんへの見せつけじゃない?」




見せつけ…?





「秦山くんは紗香ちゃんを好きだって思ってるけど
それに気付いてないか認めたくないかで

ほら、俺は他の女の子と一緒いた方が楽しいって

思い込ませようとしてるんじゃないかな。」





しかもそれを紗香ちゃんに見せつけて

紗香ちゃんの反応を確認してるってことでしょ。




と濱崎さんが口元に笑みを浮かばせながら
机に肘をついて
手の上に顎を乗せる。





「つまり
紗香ちゃん、秦山くん脈アリだと思うよ。」

「え……?!」




濱崎さんの言葉に
私は目を見開く。

え、そ、それだけで脈アリ?!






「変な行動は照れ隠しで
自分の気持ち誤魔化そうと
無闇に女の子と過ごすあたり

多分間違いないと思うけど。」




後はあの子が自分の気持ちに気付くかじゃない?




と濱崎さんが面白そうにニヤつく。


濱崎さん…完全に私たちのこと面白がってるよね…。




(まぁ他人事だし仕方ないけど。)





そんな話をしながら
紗香はユカリと圭斗と時間を過ごしていた---。





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