鬼の双子と新選組

胸に手を当てそう言うと誰もが驚いた。
時雨は青ざめていたけど、私の正体がばれると思っているのだろう。
まだ皆さんが信じられないように私を見る。
苦笑を浮かべるしかないのだが…。
髪を解き、腰まである髪を自由にさせる。
少し晒が見えるけど肩まで出して、微笑みかける。

「旦那はん達の接待します、優どす、よろしゅうお願いしますぇ」
「ちょっ!火雨っ!」

それ以上はばれるって!と顔に書いてある。
大丈夫だと微笑みかける。

「まだ、駄目ですか」

そう言って皆さんを見つめ返す。

「…分かった、良いだろう」
「ちょっ土方さん!なんで火雨くんを遊女役にするんですか!!」
「総司、トシも火雨くんに賭けたんだ」
「でも、こんな可憐で大人しそうな火雨くんを遊女にする訳逝かないじゃないですか!!」

あー…なんか沖田さんが怒ってる…。
なんであんなに怒るんだろう?

「総司、万が一、芹沢さんが火雨に手を出しても、こいつなら微笑んで避けるか手で受け止めるさ」
「…そうですけどー…」

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