鬼の双子と新選組

納得いかない…って顔してる沖田さんを放っておき、話が進んでいく。

明日、私は皆さんより早く角屋に行って用意するが、芹沢さんに誘われる事を仮定し、明日は体調不良として部屋に籠っておく。
私が角屋へ行く時間になったら、時雨に身代わりを頼む。
そして、順調にいけばそのまま角屋へ向かい、宴を始めてから私を呼んで、芹沢さんを酔わせて、八木邸に帰ると同時に私もお座敷から出て、着替えてから八木邸に向かい、芹沢さんが寝たら暗殺する…という計画らしい。

「…という事だ、分かったな」
「もし、女性が部屋に居る場合は?」
「その女が外に情報を漏らさない、という確実性がないから殺すしかねぇだろう」
「分かりました」

そう頷いてみせると、土方さんが微かに笑った。
久し振りに人を殺すんだ…。
そう思うと、気持ちが弾む。

「勿論、この計画は他言無用で頼む…分かったなら以上だ、戻って良い」

土方さんの言葉にこの場に居る全員が頷く。
その後、部屋からばらばらに出ていく。
私達も部屋に戻る。

「はぁ…全く、冷や冷やさせやがって…」
「ごめんって」
「明日、芹沢さんにばれない様にしろよ」
「分かってるよ」

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