君のいる世界
現在 玲奈

 ごそごそと支度をしていると、そろそろ出掛ける時間になった。今日は珍しくマネージャーと一緒に行動することになっていて、なんと迎えにまで来てくれる。

 電車賃が浮いてラッキーだ。

 部屋からリビングに降りて待っていると、優奈も降りて来てご飯を食べ始めた。


「………今日、どこか行くの? 」

「あんたには関係ないでしょ」

「……そっ…そうだよね」


 おねーちゃん、もとい優奈と呼べと言われているけれど、つい心の中ではおねーちゃんと呼んでしまう。

 美人で頭も良くて、なんでも出来るおねーちゃんの恥でしかないあたしは、いつもおねーちゃんに迷惑ばっかりかけてしまう。

 せめて家では迷惑にならないようにしたい。

 モデルの仕事が無くなって、グラビアのほうに移ったので、さらにおねーちゃんには肩身の狭い思いをさせてしまっている。


 だって恥ずかしいよね、おっぱいを売りにして媚びをうってる写真なんて撮らせてる妹なんて。
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