君のいる世界
ストーカーがこちらを見たので視線を合わせると、いつもスタジオまで見に来てくれた子だった。声をかけたり、プレゼントを貰っていたから顔を覚えていた。
その彼女が、勝ち誇ったように髪を振り乱して笑っていた。
「あたしが!! あたしこそが礼治さんには相応しいのよ!!」
自分の何が彼女をこんなにしてしまったのだろう。上辺だけの自分を見て、熱をあげている彼女を見て気持ちが冷えていく。
何も知らないだろうに。
「じゃあさ、君は何してくれんの? 」
「なっ何でもっ!! ご飯だって、掃除だって何でもします!!」
「………へえ。何でもねぇ。じゃあ今すぐここで服を脱いで」
「………ここで? 」
「そう」
見ていると恥じらいながらも服を脱ぎはじめた。赤らめた顔からは、何を期待しているのかなんてバレバレだ。パーカーを脱いで、シャツに手をかけたところで、堪えきれなくなる。