君のいる世界
4年前
派手に転んで、恥ずかしいくらいびしょ濡れのオーディションから一ヶ月が過ぎた。
あたしは次なるオーディションに向けて履歴書をせっせと書いていた。
あのオーディションであたしがもらった憧れは、いつかまたあの女の人に会えるようになりたいという夢に膨らんでいた。
あんなふうに毅然としてあたしも立っていたい。それがどこだとしても、あたしが自分で選んだ場所ならどこでもかまわない。
あの人、オーディションに携わるなんて、いったいどんな地位にあるんだろう。少なくともピンクラビッツの屋台骨に関わることができる数少ない関係者なんだろう。
若くてカッコよくて、仕事も出来るなんて完璧すぎる。
あーーまた会いたいなぁ