君のいる世界


取り出してしまったので、取りあえず見るだけ見てサヨウナラ。おかーさんには見つからないように捨てよう。

紙を開くとブルーの飾り模様に囲まれて、日時と集合場所が書いてあった。もちろん何やらご挨拶もあったけれど、難しい言葉だった。

さらに最後には、ご来場の方には粗品を進呈します、と書かれていた。



粗品素敵!


なんだろー。きっと非売品というやつだ。ピンクラビッツのボールペンとかかな? いいなぁ貰いにいってしまおうか。


よくよく見てみれば、ご案内の紙に挟まれて時間と入り口を指定した小さい紙まで付いていた。なんだか丁寧。こっちの紙の時間のほうがご案内の用紙よりも二時間早くなっていて、なんだか特別な雰囲気がした。

そこであたしは、にまにまと紙をたたんで封筒に納めてその日を楽しみに待つことにした。

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