君のいる世界
はぁとお互いにため息。
「あたしがさ、玲奈のおっぱいをもうちょっと気にしてたらよかったわ」
胸にポイントのある服は、あたしの担当じゃなかった。考えてみれば、予兆はあったんだ。自分の考えなさにじわりと涙がにじんでくる。
「おっぱいおっきくして、ごめんなさい」
「もういいよ。それより玲奈、今何してるの? 」
「……コンビニの唐揚げと豆乳をやけ食いしてました」
見られてもいないのに、縁石の上で座り直してみる。
「ちょっと…それがおっぱい成長させてるんでしょ。鶏肉に豆乳イソフラボンなんだから」
「だってやけ食いなんです…唐揚げ好きだから…おかーさんもお姉ちゃんも鶏肉はヘルシーだからいいって言ってたし、豆乳も美容にいいって言ってたから…」
はぁと通話口からため息が聞こえた。
「知らないって怖いわね。夕方、時間開けておいて。ご飯食べよう」
「はい、大丈夫です」
そして、また連絡すると言って通話は切れた。