君のいる世界
きゅうっと胸が苦しくなる。
「あのっ……礼治さん、あたし礼治さんのこと好きです」
どうしてもどうしても言いたかった。あたしが、礼治さんを好きだということを。これは、Likeじゃなくて、Loveだとどこか胸のなかでカチリとピースがはまる。
ずっと憧れてきたその答えは、好き、だ。
礼治さんのことが知りたくて発売される写真集を買って帰り、大事に大事に見て、礼治さんの視線をトレースしていた。
礼治さんの見るもの、触れるもの、みんな知りたくて……
振り向いた礼治さんは、どこか寂しい瞳を揺らしてくいっと口角をあげた。
「俺も玲奈ちゃんのこと好きだよ」
礼治さんが何をどう考えいるのか知りたくて、顔をガン見してしまう。
これは……Likeだ
ふっと力が抜けてうなだれる。
「ありがとね。玲奈みたいな若い子にそんな風に言われて嬉しいよ。でもさ……」