雪のような恋。
「最近、白井くんと仲良いね」

気がつけばもう12月になっていて、美雪が話すと息が白かった。

「白井、イケメンでサッカーもしてるし、いい男捕まえただろ」

そう言うと、美雪はバカと言って笑った。
俺もそれが嬉しくて笑った。


実際、美雪のことが好きだとわかっても俺の毎日は変わらなかった。
好きだからといって、どうすればいいのか知らなかったし
告白なんてもっての外だった。


「でも、白井と話してると楽しいよ。他のみんなは恋バナばっかり」

失敗した、思った。
美雪との会話に、"恋バナ"なんて出たことがなかった。
俺は急に、自分の気持ちがバレてしまうことと
美雪の好きな人を知るのが怖くなった。

「いいな。女子は恋バナばっかりで、みゆきはいつも聞き役なんだー」
美雪はそう笑いながら言ったから、
俺は少し安心して、初めてその質問をした。

「好きな人いないの?」

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