雪のような恋。
12月24日。終業式の日。
いつもは鳴らされるインターホンを
今日は美雪が遅くて俺が押した。
インターホンの向こうから聞こえた
「寝坊したから先に行ってて」
という美雪の声はいつもと少し違っているような気がしたけど
時間がなかったから、仕方なく俺は1人で学校へ行った。
俺はこの頃、美雪のことを何も知らなかった。
その美雪の声の違和感は本物で、美雪はその時泣いていた。
その時だけじゃなく、美雪はずっと泣いていんだ。
俺は美雪のことは何でも知っているつもりだった。
その日、美雪は学校へ来なかった。