双姫 Ⅱ
『あれ?類は…??』
他の皆は居るのに類だけ居ない…。
「アイツは自分の部屋に
行ったっきり戻って来ねぇ。」
『あぁ…成程ね。』
真白が居るから逃げたのね。
少しは仲良くなったと思ったのに全然だった。
真白はフレンドリーなのに…。
「朱音が気にする事無いよ!
だから、暗い顔しないで…??」
『もう!優しいんだから!!』
「キャー♪♪」
ギューっと抱き締めると、
真白も抱き締め返してくれた。
こんなに可愛くて優しいのに
どうして類は未だに心を開かないんだろう。
それ程、母親を憎んでるんだろうか。
私が東条と錦を憎んだ様に。
『じゃあ、類を呼んで来るね!』
類、大丈夫だよ。私が居るから。
だから…閉じ篭らないで出ておいで??
皆を置いて類の部屋に入った。