双姫 Ⅱ
『え…な、何を??』
先ずは惚(とぼ)けてみた。
布団のせいで暗く、類の顔が見えない。
恥ずかしさよりも焦りが募る。
「この状況で…何するか分からない?」
『わ、分かんない!』
なんか危ない気がしたから
布団から出ようと動こうとすると、
「こういう事。」
『イッ!!??』
首筋に何か触れ、鈍い痛みを感じた。
『んッ…類!』
痛みの後に舐められた感じがして、
触れたのは類の唇だと分かった。
「朱音が悪い、忠告したのに挑発するから。」
『挑発なんて!』
そんなのしてない。
「無自覚が一番タチ悪いよね。」
そう言いながら類が抱き締めてきた。
言う事は意地悪なのに抱き締める腕は
どうしてこんなに優しいんだろう。
『類って暖かくて…安心……す…る…。』
あれ?なんか瞼が重く感じる……。
暖かさに包まれて眠りに落ちた。