双姫 Ⅱ


「…朱音?行っちゃ駄目だからね。」


どうして私が思った事が分かったんだろう。


『類、ごめん。それでも行きたい。』


「朱音さん、
わざわざ会いに行く理由はなんですか?

東条は貴女にとって仇でしょう。」


『…行かなきゃいけない気がするの。』


なんとなくだけど。


「…東条と錦が
収監されているのは〇〇刑務所です。」


「李樹!」


「黙りなさい。類、朱音さんが決めた事です。
口を挟むのは許しません。」


李樹の一言で皆も口を噤(つぐ)んだ。


『ありがとう、李樹。
類、大丈夫だから待ってて?』


「…気を付けてね?」


『ありがとう…。』


皆は不安そうだったけど
最後には送り出してくれた。

遊ぶのは明日からにして
私は東条と錦に会いに行く事にした。


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