双姫 Ⅱ
「会ったのか?」
『アンタの前にね。
私と分かって飛び掛かろうとした。
取り押さえられてたけど。』
「そうか…。」
『…魁、自殺なんて許さないからね。』
「…ッ!?」
『罪を償うんでしょ?
だったらシャンとしなさいよ!!』
自殺なんて命への冒涜(ぼうとく)よ。
しようとしてた自分が馬鹿みたい。
「…お前、名前なんだったっけ。」
『朱音、神崎 朱音だよ。』
「朱音…。
罪を償ってもう一度お前に会いに行く。」
魁は椅子から離れ、
私と境にある透明の壁に手を付く。
私も椅子から離れ、手を合わせた。
『なら『約束』して。
必ず罪を償って、会いに来るって。』
「あぁ、『約束』だ。」
妹を殺した憎い仇に『約束』をするなんてね。
でも、分かる。魁なら大丈夫だって…。