双姫 Ⅱ


「そうか…。
それじゃ、俺から一つ情報がある。」


『情報?』


紘にぃはゴソゴソと
ポケットから何か出し、私に渡した。


「今日開かれるパーティーに
東条の両親も出席する。

俺は行かねぇけど…それは朱音の分な。」


『…え?』


息子が刑務所に入ったのに暢気にパーティー?


「えぇ~?
息子が務所入ったのにパーティー??
その親、今直ぐボコりたいんだけど?」


「見捨てたって事よね?ありえない。」


「庇いきれない所まで
来てしまったのかもしれませんね。」


『…弟が居るって。
暴走族始めたら弟を構うようになったって。』


「それならその弟に
政治を学ばせようと考えたのでしょう。」


実の息子なのに、私には分からない。

だって…母さん、父さん、紘にぃは
血の繋がりが無くても
私を家族として迎えてくれた。

そして
『神龍』『双覇』の皆や直ちゃん、光ちゃん。


だから…私は私のままで居られた。

でも、魁にはその存在が居なかった。


それだけの違いだった。


< 149 / 448 >

この作品をシェア

pagetop