双姫 Ⅱ
「そうか…。
それじゃ、俺から一つ情報がある。」
『情報?』
紘にぃはゴソゴソと
ポケットから何か出し、私に渡した。
「今日開かれるパーティーに
東条の両親も出席する。
俺は行かねぇけど…それは朱音の分な。」
『…え?』
息子が刑務所に入ったのに暢気にパーティー?
「えぇ~?
息子が務所入ったのにパーティー??
その親、今直ぐボコりたいんだけど?」
「見捨てたって事よね?ありえない。」
「庇いきれない所まで
来てしまったのかもしれませんね。」
『…弟が居るって。
暴走族始めたら弟を構うようになったって。』
「それならその弟に
政治を学ばせようと考えたのでしょう。」
実の息子なのに、私には分からない。
だって…母さん、父さん、紘にぃは
血の繋がりが無くても
私を家族として迎えてくれた。
そして
『神龍』『双覇』の皆や直ちゃん、光ちゃん。
だから…私は私のままで居られた。
でも、魁にはその存在が居なかった。
それだけの違いだった。