双姫 Ⅱ
「朱音、とっても綺麗よ!」
『そ、そうかな?』
でも、高いヒールなんて履き慣れてないから
ツマづかないか心配…。
キスマークはファンデで隠しました!
見られたらマズいもんね…。
「さぁ、心の準備は良い?」
目の前には豪華な扉。
ここを開けたら私は注目の的になるだろう。
それ程『神崎』の名は知られている。
『…令嬢らしくね。』
今迄乗り越えて来た事を思い出す。
胸を張って、笑みを浮かべて。
『お母様、行きましょう。』
穢れた世界へ足を踏み出した。