双姫 Ⅱ
「思わぬ所で収穫があったわね?」
取り巻きから逃げ、壁に凭れ掛かる。
『笑い事じゃないよ…。
モデルの件は本当なんだから……。』
星蘭に仕事を頼まれ、受けてしまった。
「これも仕事よ!
恩を売っておいた方が
この世の中で有利に立てるわ。」
『…そうだね。』
「幸い、彼女は仕事熱心な方よ。
良い仕事仲間になれると思うわ。」
確かに彼女から嫌な感じはしなかった。
でも、モデルって…。
もう撮影の日まで決められちゃったし。
気が重い…仕事だから仕方無いけど。
それよりもお目当てはどこに居ますかね?
モデルの件を頭の隅に追いやり、
目当ての人物を探した。