双姫 Ⅱ
『ご存知ありませんでしたか?
元は捨て子でしたけれど
神崎家に引き取られ、今の私が居ます。
お兄さんとはその時に会いましたわ。
貴方に揉み消された事件で。』
「まさか…。」
『貴方のあの時の言葉。
今でも鮮明に覚えております。
「あれは不幸な事故だった」
たった一言と現金で片付けられた時、
人がこの世で
一番恐ろしい生き物だと学びましたわ。』
私の言葉に顔色が悪くなる父親。
分かったんだろう、私があの時の被害者だと。
殺された双子の姉だという事を。