双姫 Ⅱ


『私は妹を失って思い知らされました。
家族は大切な存在だと…。』


血の繋がりがあるなら尚更。


『これを機に魁を見て下さい。
私に言えるのはそれだけです。

魁を自分の子供を愛して下さい…。』


小さい頃、何度も思った。

自分の両親は私達を愛してくれなかった。
だから、誰でも良い…愛して欲しかったの。

きっと、魁も同じ。

振り向いて欲しくて…それだけだった。


『お願い致します…。』


深くお辞儀をし、意志を伝えた。


それを見てどう思ったのかは私には分からない。

何も発する事も無く、
三人は私の前から立ち去って行った。


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